「丸山真男『日本の思想』精読」(メモ6)

このような「固形化」したイメージに、リップマンというアメリカのジャーナリストは、「ステレオ・タイプ」という表現を与えていますがその言葉を借りていいかえますと、視野や視圏が拡大すればするほど、われわれが世界を見るとき、「ステレオ・タイプ」化されたイメージへの依存を強めることになるわけです。もし「他者」に対する「開かれた精神」が「開かれた社会」の条件の一つだとしますと、視圏の拡大がもたらす「ステレオ・タイプ」への依存というような事態は、むしろ「閉じた社会」への回帰といって過言ではないといえるでしょう。では、こうした「逆説」はなぜ起こるのか、それがここでの問題だ、ということになるのです。

丸山は、こうした「逆説」の発生を、一つには「イメージ」というものを媒介にして成立する認識作用に内在する「自己疎外」という、一般的問題として捉えようとしています。

(宮村治雄さん「丸山真男『日本の思想』精読」P89)

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