小説SeptemberRain44

だから未来が来店した時も避けた。来たということは何かわけがあるんじゃ?と思い、しかし同僚ふたりと一緒に来られても話はできない、軽く来店できるのはやはり思い過ごしだろう、とそこまで考えるのがもう乱されてる証拠で、いい加減にしろと自分に言い聞かせ気づかないふりをした。

しかしそれもわざとらしい。目で挨拶ぐらいは大人の対応だったろう。彼女はどう思ったか。仕事を終えても悔やんだ。7時すぎに店を出ると雨は本降り。風が強まり傘を傾けても足元が濡れる。

駅の構内に駆け込み傘をたたんで改札に向かう途中気づいた。壁際に未来がひとり立っていた。目が合う。

どうしたの進志が近づくと、

うん未来は目を伏せる。

誰かと待ち合わせ?

未来は首を振る。成瀬さんを

俺?

話したくて

そう

このまえ行かなかったそこの地下街、飲みにつき合ってもらおうかって

酒?

最後にと未来は目を伏せたまま言う。

でも、台風でしょ。これからどんどんひどくなる。また電車が停まったりしたら

未来は黙ってうなずく。

それは承知の上らしい。じゃあと進志は言った。とりあえずうなずいて外に向かう。

未来は目を上げ進志の背中を見る。歩きだして雨の中へ続く。

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